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「しろめ」の皮が「くろめ」にかぶさってくる?!

1. それは「翼状片」という疾患です。
翼状片は強膜(しろめ)を覆っている結膜の下にある組織が何らかの原因で異常に増殖したものです。一般に鼻側から増殖し始めることが多く、角膜(くろめ)の中心に向かって三角形状に増殖組織が入り込んできます。
南の地方の人に多いことから紫外線が原因とも考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。初期のものも含めると高齢者の方の約20%にみられるという報告もあります。
2. 翼状片の症状
初期には症状はほとんどありません。外見的な問題のみです。ただ、ある程度大きくなってきますと角膜を歪ませて乱視を生じ、視力が低下してきます。また、翼状片の部分の充血を気にされる方もあります。
3. 翼状片の治療
乱視を生じていなければ経過観察のみでよいでしょう。充血が気になる方には抗炎症剤の点眼薬をご使用いただくこともあります。また、翼状片の影響で涙液が不安定になりますのでドライアイの点眼薬を併用する場合もあります。
翼状片が瞳孔にかかってきたり、乱視を生じたりしてきた場合には手術をお勧めします。手術は点眼麻酔をし、角膜上に増殖した翼状片とともに異常な結膜を切除します。そのままだと再発する確率が高くなりますので、別な場所から採取した正常な結膜を移植して翼状片の再増殖を抑えます。
術後はしばらくコンタクトレンズを装用していただきます。移植した結膜を縫合してある糸のため1〜2週間ほどはゴロゴロした異物感がありますが、徐々に症状も軽減していきます。
手術をおこなっても再発する確率が10〜20%程度ありますが、翼状片で覆われていた角膜には若干の混濁が残る場合も多いため、翼状片が完全に瞳孔を覆ってしまう前に手術を選択されることをお勧めします。
2006年9月1日掲載 
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