まぶたの一部分が時々ピクピクする程度であればしばらく様子をみていただけばよいと思います。疲労や精神的なストレスで生じていることがほとんどですので、十分な休養をとられることをお勧めします。ただ、そのけいれんが額や頬にまで広がってきたり、けいれんのせいで目が開けていられないなどの症状があるときには、顔面神経が圧迫されていることがありますので精密検査が必要になります。
1. 眼瞼ミオキミア
まぶたがピクピクするのは眼の疲れや体の疲れから、非常に良くみられる症状です。正確には眼瞼ミオキミアと呼びます。ミオキミアでは眼瞼の筋肉のごく一部だけが微細に動き、決して他の筋に拡大しません。まぶたの上下どちらにも起こります。これは比較的軽い病気で、疲れがとれると自然と治まっていくことがほとんどです。
2. 顔面けいれん
顔の筋肉は、豊かな表情をつくるために小さな筋肉が集まっており、その筋肉の動きは顔面神経で支配されています。神経が圧迫されると目の周りがピクピクとけいれんするようになります。片側顔面けいれんは片側のまぶたと同じ側の顔の筋肉のけいれんが起こります。次第に同じ側の額や頬、口のまわりなどにも広がっていきます。
3. 眼瞼けいれん
けいれんが両側のまぶたにみられる場合を眼瞼けいれんといいます。眼瞼けいれん、片側顔面けいれんは神経質な人や几帳面な性格の人に多く、原因のほとんどがストレスですが、まれに腫瘍などが神経を圧迫している場合もありますので、一度は脳外科などで調べておいた方が良いでしょう。
4. けいれんの治療について
顔面けいれんや眼瞼けいれんに対する確実な治療法は、ボツリヌス菌の毒素をけいれんしている筋肉に注射する方法です。これはけいれんを完治させるものではありませんが、2〜3カ月の間、症状を抑えることができます。「ボツリヌス菌」は食中毒の原因菌として知られ、怖いような気がしますが、眼瞼けいれんの治療に用いるのはごく少量ですから、極めて安全です。
この治療は当院では施行しておりませんので近隣の総合病院へ紹介させていただいております。
2007年3月1日掲載