昔からヤツメウナギは目にいいと言われています。またブルーベリーは目にいいから毎日サプリメントで飲んでいるかたもたくさんおみえになります。でも、なかなか科学的に証明するのは難しいようです。近年アメリカで行なわれた大規模多施設研究AREDS-1・2の結果から、抗酸化物質(ビタミンC、E、ルテイン、ゼアキサンチン)および亜鉛が進行性加齢性黄斑変性症の悪化を抑制したという結果が出されました。一方、白内障に関しては、有意に進行を抑制したサプリメントはありませんでした。 |
坑酸化物質というのは、日々体内で生み出されている活性酸素を打ち消してくれる物質です。私達のからだは酸素を取り入れて栄養分を代謝しエネルギーを生み出しています。その過程で、取り入れた酸素のうちの2%ほどが活性酸素になるといわれています。活性酸素は体内に侵入したウィルスや細菌を不活性化するという大切な役割を担っています。同時に活性酸素は体内の細胞を酸化させることで老化やさまざまな病気を引き起こす原因にもなると言われています。 |
今回は、坑酸化ビタミンを含む目にいい食べ物についてご紹介させていただきます。 |
坑酸化ビタミン |
ビタミンのうち、ビタミンA、C、Eに坑酸化作用が期待されています。 |
ビタミンA |
ビタミンAは坑酸化ビタミンであると同時に、視細胞に含まれるロドプシンの前躯体として重要な物質です。ビタミンAはレチノイドとも呼ばれ、主に動物性食品に含まれています。しかし、脂溶性のため過剰摂取すると体内に蓄積されてしまいます。そのため、必要な分だけがレチノイドに変換されるカロテノイドの摂取が勧められています。カロテノイドは主に緑黄色野菜に含まれています。ただ、喫煙者(過去の喫煙者も含む)ではカロテノイドの一種であるベータカロチン摂取群で肺がん発生率が高くなると報告されているので、喫煙者では注意が必要です。(AREDS-1ではベータカロチンが検討されましたが、肺がんのリスクが分かってきたため、AREDS-2ではルテインとゼアキサンチンという別のカロテノイドが用いられました。)
ビタミンAを多く含む食べ物は、卵・レバーなど。ルテインを多く含む食べ物には、ケール(青汁の原料になります)・ほうれん草・パセリなど。ゼアキサンチンを多く含む食べ物にはパプリカ・柿・トウモロコシなどがあります。 |
ビタミンC |
ビタミンCは強い抗酸化作用を持つ水溶性のビタミンで、体内で重要な役割をしています。ビタミンCが不足すると、免疫力が低下して風邪に罹りやすくなったり、骨粗しょう症、壊血病(血管がもろくなって体のあちこちから出血してしまう病気)になる可能性があります。目の組織の中では水晶体に多く含まれています。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に多く含まれています。
ビタミンCを多く含む食べ物には、赤ピーマン・ブロッコリー・アセロラ・キウイ・イチゴなどがあります。 |
ビタミンE |
ビタミンEは脂溶性の抗酸化ビタミンで、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。その他、細胞膜を安定させたり、動脈硬化を防いだりする働きがあるといわれています。
ビタミンEを多く含む食べ物には、アーモンドなどのナッツ類・うなぎ・モロヘイヤなどがあります。 |