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瞳(瞳孔)の大きさが左右で異なることを瞳孔不同と呼びます。およそ人口の5人に一人は異常ではなく生まれつき大きさが異なるといわれています。しかし、急に瞳孔不同が生じた場合には注意が必要です。最も急を要するのが脳動脈瘤による動眼神経麻痺です。脳動脈瘤が大きくなり動眼神経を圧迫して、複視、眼瞼下垂、瞳孔散大などの症状を引き起こします。くも膜下出血に至る場合も少なくないため早急に手術が検討されます。下記に瞳孔不同を生じる主な疾患を挙げてみました。
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瞳孔不同を生じる原因 |
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1)目の疾患 |
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先天的異常 |
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外傷 |
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眼手術の既往 |
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虹彩炎など目のなかの炎症 |
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視神経疾患(視神経炎など) |
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緑内障発作後 |
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何らかの疾患により網膜機能が大きく障害された場合 |
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点眼薬の影響(一部の緑内障治療薬や検査のための散瞳薬など) |
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2)その他の疾患 |
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動眼神経麻痺(脳動脈瘤や脳梗塞など) |
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交感神経系の異常(ホルネル症候群:交感神経がブロックされて、患側の眼瞼下垂、縮瞳、発汗減少を生じる) |
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アディ症候群(緊張性瞳孔散大を生じる。女性に多く特に近くを見るときに瞳孔散大が著明となる) |
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瞳孔不同を診る場合、片側の瞳孔散大の場合は明所で診察することにより判明しますが、ホルネル症候群など縮瞳の場合は暗所で診るとはっきりします。目に局所的な異常がない場合は脳神経内科を受診してMRIなどで精密検査が必要となります。ご自身で瞳孔不同を認識するのは難しいので、片目がかすんで見えたり、まぶしく見えたりした場合には、眼科を受診していただくことをお勧めします。 |
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2019年11月1日掲載 |
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