トップページへ
受付時間・診察内容
アクセス方法
受診されるかたへ
問診票ダウンロード
目に関するあれこれ
障害者手帳について
個人情報保護について
当院の理念
院長紹介
TKコンタクトのサイトへ
大きな文字でご覧になるにはこちらをクリックして下さい
学校で視力がC判定なのに眼科で測ったら1.0だった。そんなことあるの?

 学校の視力検診はA.B.C.Dの4段階で評価されます。Aは視力1.0以上、Bは視力0.9から0.7まで、Cは視力0.6から0.3まで、Dは視力が0.3未満となっています。一般的には片目でも視力がB以下の場合、学校から「眼科受診のおすすめ」をもらいます。ただし、眼鏡を掛けている場合には、眼鏡を使用した状態での視力結果が判定の基準となります。
 当院でも、学校における視力検診の結果、毎年多くのお子さんが受診されます。なかには学校でC判定だったのが実際には1.5だったり、逆に学校でA判定でも実際には0.5しか視力がでない場合があります。
 そこで、学校の視力検診と当院における実際の視力測定との間に差が有るのか無いのか検討してみました。
《対象》
 平成19年度に学校から視力に関する「眼科受診のおすすめ」を受け取り、当院を受診した小中高生248名(496眼)を対象としました。ただし、すでに眼鏡を装用している場合は除外し、今回は裸眼視力の結果のみを比較の対象としました。
《方法》
(1) 学校視力測定結果(以下学校値と略します)
(A:1.0以上、B:0.9〜0.7、C:0.6〜0.3、D:0.3未満)に準じて当院受診時の裸眼視力(以下受診値と略します)を分類し、その一致率を算定しました。

(2) 学校値のほうが良かった群、受診値のほうが良かった群、両者が同じだった群の割合を、小学校低学年、同高学年、中高生の3群に分けて比率を検討しました。

(3) 視力のランクをA=1、B=2、C=3、D=4とそれぞれ数値に置き換え、学校値と受診値に有意差があるかを*t-testにて検定しました。
*t-test:Microsoft Office Excelにおける、統計計算に用いる関数。
《結果》
(1) 学校値と受診値との全体での一致率は46.8%でした【表1】
それぞれの視力ランク別に見ると、学校値A判定だった場合で受診値でもA判定となった一致率は56.6%、同じくB判定32.2%、C判定60.6%、D判定38.3%でした。一方、学校値がAでも受診値がCもしくはDのケースが16.9%も認められました。
学校値と受診値の一致率表
【表1】
(2) 低学年、高学年、中高生の3群に分けて検討した結果、低学年群では学校値よりも受診値のほうが良い割合が高いことが示唆されました。【表2】
低・高・中学年による一致率の比較表
【表2】
(3) t検定の結果、学校値と受診値とで有意な差は認めなかった。
《今回の調査の結果より》
 調査の結果、学校から「眼科受診のおすすめ」を受け取った児童・生徒において、学校値と受診値の一致率は約半数でしたが、実際には両眼ともA判定で「眼科受診のおすすめ」をもらわない割合が全児童・生徒の約半数程度だと考えれば、学校と医院で視力があまりにも違うとは言えません。
 また、視力の変動や(たとえば寝不足で疲れていたりすると視力は出にくくなります)、学校と医院とでの視力測定時期のずれを考えると学校の視力検診は妥当な水準といえるでしょう。
 ただし、学校から「眼科受診のおすすめ」をいただいた場合には、たとえそれが右目A、左目Bという軽微な視力低下だとしても、できる限り眼科を受診されて視力を確認されるのが良いでしょう。学校でA判定でも実際には視力が低下している場合もあります。また、「眼科受診のおすすめ」をいただいていなくても、ご家庭で見づらそうな様子に気づかれた際には、視力検査を受けられるのが良いと考えます。
 一方、小学校低学年では学校値よりも受診値のほうがより割合が多く、学校における視力検査の際には、高学年よりもすこし時間をかけるなどのご配慮をお願いしたいと考えています。
 学校検診は学校保険法で規定されており、お子さんの視力や目の健康を守る大切な検診です。「眼科受診のおすすめ」をいただいたらなるべく早めに眼科を受診されると良いでしょう。
2008年10月1日掲載 
【関連コンテンツ】
子どもの目について〜1. 視力と屈折異常(近視・遠視・乱視)
上に戻る