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突然片方の目の視野が真っ暗に〜網膜動脈閉塞症の可能性があります

 網膜動脈閉塞症とは、目の奥の血管(網膜中心動脈)が詰まって網膜に血液が届かなくなる疾患です。網膜中心動脈は眼動脈から分岐し、眼動脈は内頚動脈から分岐しています。つまり脳梗塞と同様に動脈硬化、不整脈などの心疾患、血管の炎症や痙攣などが原因となります。網膜に酸素や栄養が届かないと視細胞が短時間の間に障害され見えなくなってしまいます。一旦視細胞が障害されると再度血流が戻っても視力が回復することは困難です。
 網膜動脈閉塞症は大きく2つに分類されます。網膜動脈は視神経乳頭上で分岐していますが、その分岐よりも手前で閉塞した場合を網膜中心動脈閉塞症、分岐よりも末梢で閉塞した場合を網膜中心動脈分枝閉塞症と呼びます。網膜中心動脈閉塞症では突然ほぼ視界全体が真っ暗になります。分枝閉塞症では閉塞して網膜が障害された部位に対応した部分の視野が欠けて見えなくなります。
写真をクリックすると、別ウインドウで拡大写真が表示されます。
【図1A】右眼眼底写真 【図1B】左眼眼底写真

 図1は、網膜中心動脈閉塞をきたした70代女性の方の眼底写真です。1.2あった視力が突然0.1まで低下しました。左眼に比べると右眼の写真は網膜が全体に白く濁っています。この方は幸いにも毛様網膜動脈という脈絡膜から延びている血管があり、部分的に血流が保たれていて(真ん中の赤い部分)、視力0.5まで回復することができました。全身検査の結果、心房細動があり、内科的な治療が始まりました。
【図2A】右眼眼底写真 【図2B】左眼眼底写真

 図2は、左眼の下方視野が見にくくなったと受診された50代男性の方の眼底写真です。左眼の上方網膜が白く濁っており、網膜動脈分枝閉塞症と診断し、総合病院で治療中です。網膜は視界がさかさまに映っていますので上方の網膜の障害は下方の視野に影響がでます。
 治療は一刻も早い血流の再開です。40分から60分ほどの虚血で視細胞は不可逆的な障害を受けるといわれています。発症早期であれば、眼球マッサージや血栓溶解薬などの点滴により回復する可能性があります。しかし、痛みもなく、発症していないほうの目で見えるため、症状に気づいても2〜3日してから眼科を受診される方が多いのが現状です。もし急に目が見えなくなってしまったら一刻も早く眼科を受診されることを強くお勧めいたします。
2016年5月1日掲載 
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