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流行性角膜炎の検査について

 流行性角結膜炎(通称「はやりめ」)は学校保健安全法(2009年に学校保健法が一部改正されて学校保健安全法に改称されました)で指定されている感染症で、アデノウィルスが原因となります。感染の拡大を防ぐために症状が治まってから2日間は学校への出席停止となります。主な症状は目の充血、めやに、ゴロゴロ感、涙目などです。ただ、花粉症ピーク時にはアレルギー性結膜炎の所見と非常に似通っているため、春先に目の充血と涙目を訴えてみえる患者さんの場合に見分けることが困難なことがあります。
 そのような場合に役に立つのが、アデノウィルス検査用キットです。当院では「クイックチェイサーAdeno」という製品を使用しています(図1)。インフルエンザの検査で咽頭粘膜を擦って調べるのと同じように、まぶたの裏の結膜から上皮を擦り取って、そのなかにアデノウィルスが存在するかどうかを判定します(図2)。

クイックチェイサーAdeno
【図1】

結膜から上皮を擦り取る
【図2】

 擦り取ったサンプルを抽出液に溶かして、判定プレートにたらすと(図3)、7分後に判定可能となります。判定プレートに2本ラインが出ればアデノウィルス陽性(図4)、1本の場合は陰性と判定されます(図5)。

検査用キットの判定プレートに抽出液をたらす
【図3】

判定プレートに2本ラインが出た写真(陽性)
【図4】

判定プレートに1本ラインが出た写真(陰性)
【図5】

 流行性角結膜炎は基本的には接触感染ですので、特に幼稚園・保育園で流行が大きくなりがちです。これまでにも「多分大丈夫と思いますが、保育園に通園されているので念のため調べてみましょう。」と検査をしたら陽性反応が出て驚かされたことが何度かあります。また、最近の例では、「目がゴロゴロして涙がいっぱい出ます。何か目に入ったと思います。」と言われて診てみると、目の中に異物はなく、上下の結膜に充血浮腫と小出血斑を認めて、検査をしてみたらアデノウィルス陽性だったことがありました。

 しかし、この検査にも課題があります。まず、サンプルを採取する際に結膜を強く擦るので、少々痛みがあります。つぎに、検査の感度が7−8割といわれていますので、たとえ検査が陰性でもアデノウィルス感染を100%否定できません。ただ、陽性に出た場合はほぼ100%の確率でアデノウィルス感染と診断できます。

 数年前には、ある保育園で次々に感染が広がり、園児の半数ほどが感染する事態となりました。当院では感染拡大予防の観点から、特に小さいおこさまの場合には積極的にアデノウィルス検査を実施しています。本人は大変嫌がりますので、保護者の方のご協力が不可欠です。どうかよろしくお願いいたします。

(図1,図2,図3はM日本点眼薬研究所様よりご提供いただきました。ありがとうございました。)
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