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近視が強いと失明するんですか?〜強度近視の眼底所見について

 近視はその程度により、弱度近視(-0.5D以上-3.0D未満の近視)、中等度近視(-3.0D以上-6.0D未満の近視)、強度近視(-6.0D以上の近視)に分類されます。一方、眼底所見から単純近視と病的近視に分ける分類もあります。単純近視は眼底に病的変化を伴わず眼鏡やコンタクトレンズにより視力が1.0以上に矯正できます。病的近視は眼球後部の変形を特徴とし、それにより視神経や網膜が機械的に障害され、矯正視力低下など視機能障害を伴い、失明につながる可能性があるものです。日本近視学会では、病的近視を「屈折度数は問わず、びまん性脈絡膜萎縮以上の萎縮性変化(特に乳頭耳側)もしくは、後部ぶどう腫を有する状態」と定義しています(*1)。
 病的近視には遺伝的な要因もあり、近視が強いから必ずなるものではありません。強度近視でも多くの方は単純近視で失明することは極めて稀です。ただ、近視が強いと網膜格子状変性や網膜剥離、緑内障などの合併症を生じやすいのも確かです。そのような合併症は40歳前後から発症しやすくなりますので、近視の強い方は40歳前後になられたら一度眼科で精密検査を受けられると良いと思います。また、血縁に近視が強くて視力が出にくいかたがおみえになるようでしたら、早めに眼科医にご相談されると良いと思います。
近視性黄斑症眼底所見の国際分類(*2から改変)
カテゴリー0 黄斑症なし
カテゴリー1 紋理眼底のみ
カテゴリー2 びまん性萎縮
カテゴリー3 限局性萎縮
カテゴリー4 黄斑萎縮
(+) 所見:ラッカークラック、近視性脈絡膜新生血管、Fuchs斑

【図1】 40代女性右眼 屈折値の等価球面度数は-12.75D 眼底写真(図1-1)およびOCT所見(図1-2)には明らかな異常所見を認めない。網膜周辺部に格子状変性を認める。カテゴリー0に相当すると考えられる。
【図1-1】 【図1-2】
【図2】 40代男性左眼 屈折値の等価球面度数は-9.75D 網膜は豹紋状を示し、視神経乳頭は軽度蒼白、視神経乳頭耳側に網脈絡萎縮を認める。視野検査の結果から緑内障と診断し治療中。カテゴリー1に相当すると考えられる。


【図3】 70代男性右眼 白内障術前屈折値の等価球面度数は-21.0D 網膜はびまん性に萎縮し、視神経乳頭は傾斜状で蒼白、視神経乳頭周辺に著名な網脈絡膜萎縮を認める(図3-1)。OCT検査では後ぶどう腫(眼球が後方に伸びる状態)が確認できる(図3-2)。白内障手術後の矯正視力は1.0と良好。視野検査でも明らかな緑内障性障害は認めない。カテゴリー2に相当すると考えられる。
【図3-1】 【図3-2】
【図4】 80代女性右眼 白内障術前屈折値は不明 視神経乳頭は蒼白、網膜は限局性に著しい萎縮を認める。徐々に網膜萎縮巣が拡大し、矯正視力も0.1まで低下している。カテゴリー3に相当すると考えられる。


【図5】 60代男性左眼 白内障術前屈折値の等価球面度数は-15.50D 視神経乳頭は蒼白、網膜は黄斑も含めて後極部全域に著しい萎縮を認める。網膜剥離を併発し硝子体手術後。矯正視力は0.02と不良。カテゴリー4に相当すると考えられる。


【図6】 80代男性左眼 白内障術前屈折値の等価球面度数は-10.25D 視神経乳頭は近視性変化により縦長状となっており、周囲には網脈絡膜萎縮を認める。また黄斑部に変性萎縮を認める(図6-1)。OCT所見では黄斑部に近視性脈絡膜新生血管によると思われる隆起部が認められる。矯正視力は0.5。
【図6-1】 【図6-2】
(*1) https://www.myopiasociety.jp/general/about/pathological.html

(*2) Ohno-Matsui K. et al. International photographic classification and gradingsystem for myopic maculopathy. Am J Ophthalmol:877-883,2015.
2020年7月1日掲載 
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