近年フォトスクリーナー(スポット ビジョンスクリーナーなど)機器の普及により小児での屈折異常や眼位異常の検出率が飛躍的に高まりました。実際に採用されている小児科様もあり、1歳で異常を検出されてご紹介いただくことも増えてきました。 |
当院で調節麻痺点眼薬を使用して精密検査の結果、ご紹介いただく患者様のうち3割程度のかたで眼鏡装用が必要となります。
1歳ころから眼鏡が必要な場合としては、強度遠視、強度乱視、不同視(左右眼で屈折値が大きく違う)などがあります。このような場合は将来弱視(眼鏡で矯正しても視力が1.0未満)となる可能性が高く、弱視予防のための眼鏡装用が必要です。しかし、3歳未満では通常の視力検査ができず本当に弱視かどうかの診断は困難です。
幼少児のかたの再診時には、きちんと眼鏡装用ができているかどうか、斜視がないかどうか、見えかたに左右差がないかどうか、などに着目して診察させていただいております。 |
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(ChatGPTにより作成) |
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ただ、私たちは診察にお越しいただいた時の状況しか把握できず、ご機嫌がよくないとほとんどの検査ができないことも時にあります。再診にお越しの際はご家庭でのご様子を教えていただけると大変ありがたいです。 |
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ご家庭でのチェックポイントとしては |
1. 装用時間を確認する
- 朝起きたらすぐメガネ、寝る直前に外すを習慣化。
- 装用時間をカレンダーやシールで記録 → 子どもも達成感が得られます。
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2. かけ外しの様子を見る
- 自分から進んでかける → よく見えている証拠。
- 外したがる、嫌がる → 見えにくい・度数不適合・フィッティング不良の可能性あり
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3. 物の見え方・行動を観察する
- メガネをかけているときに 本・テレビ・おもちゃに顔を近づけすぎないか
- メガネをかけているときに 転びにくくなった、手を伸ばして物をつかみやすくなったか
→ 改善があれば装用効果が出ています。
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4. フィッティングのチェック
- 耳や鼻にずり落ちていないか
- レンズが曇っていないか、傷がないか
→ 合わないと装用を嫌がります。
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5. 定期的に「片目チェック」
- 片目ずつ隠して(ゲーム感覚でOK)「見える?」と確認。
- 片方を隠したときに嫌がる → 隠していないほうの目に弱視の傾向があるかもしれません。
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メガネは「掛けていれば大丈夫」だけでなく、毎日の装用習慣+家庭での観察が弱視予防に大切です。特に3歳以下では自分から見にくいと訴えることができないので、「装用時間」「行動の変化」「片目チェック」をご家庭で意識してチェックして教えていただけるととても助かります。 |
| 2025年11月1日掲載 |
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