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網膜細動脈瘤とは

 名古屋市で3歳児検診に屈折検査が導入されて1年ほど経過しました。屈折検査で遠視、乱視、近視、斜視が疑われて来院されるお子さんが増えてきています。ただ、お子さんでは調節力が強く正確な値が得られにくいため注意が必要です。そのため調節麻痺作用のある点眼液を使用して調節力を麻痺させてから再度屈折検査を行うことになります。その結果で遠視、乱視が強い場合(屈折異常)や右眼と左眼で屈折力が大きく違う場合(不同視)は、視力の発達が妨げられて弱視となる可能性が高くなるため眼鏡装用が必要となります。
 調節麻痺下屈折検査に用いられる点眼液としてアトロピン点眼液、サイプレジン点眼液があります。
 アトロピン点眼液の特徴  アトロピン点眼液は抗コリン作用を有し、点眼すると散瞳(瞳孔が広がる)と調節麻痺が生じます。劇薬に指定されており、副作用として発熱、顔面紅潮、痙攣、血圧上昇、心悸亢進などがあります。当院では年齢に応じて濃度を調節して副作用の低減に努めております。調節麻痺に少し時間を要するため、当院では検査日の4日前からご自宅で点眼していただいております。1週間ほど作用が持続するため保育園や幼稚園に登園する場合は注意が必要です。検査の日を予め決めていただき、検査当日は優先診察となります。
 サイプレジン点眼液の特徴  サイプレジン点眼液も抗コリン作用を有し、点眼すると散瞳(瞳孔が広がる)と調節麻痺が生じます。劇薬には指定されておりませんが、副作用として顔面紅潮、痙攣、頻脈、結膜充血が生じる場合があります。当院では10分おきに3回点眼し、その後60分経過後に再度屈折検査を行っております。当日検査となりますので2時間程度お時間がかかります。また2日ほど作用が持続するため注意が必要です。
(注)両薬剤とも副作用が出る可能性がありますので、痙攣・心疾患をお持ちのお子さんは当院では対応できません。
 当院では屈折異常や不同視、斜視が疑われるお子さんを対象に、3歳までのお子さんはアトロピン点眼液、内斜視がなく4歳以上のお子さんはサイプレジン点眼液を用いて検査をお勧めしております。
例:アトロピン点眼液を用いた調節麻痺による屈折値の変化
アトロピン点眼液を用いた調節麻痺による屈折値の変化01
アトロピン点眼液を用いた調節麻痺による屈折値の変化02
2024年9月1日掲載  
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