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カラーコンタクトレンズの安全性

 平成26年5月に国民生活センターから「カラーコンタクトレンズの安全性−カラコンの使用で目に障害も−」というレポートが出されました。日本で承認を受けていてよく使われているカラーコンタクトレンズ17銘柄を、日本コンタクトレンズ学会、日本眼科医会と共同で調査したものです。

その調査結果の概要は以下のとおりでした。
レンズの直径は、表示の許容差を超えるものが17銘柄中2銘柄ありました。
ベースカーブは、表示の許容差を超えるものが17銘柄中5銘柄ありました。
着色部分がレンズ最表面に確認されたものが17銘柄中11銘柄ありましたが、このうち9銘柄では着色部分がレンズ内部に埋め込まれている旨の広告表示がありました。
治療やコンタクトレンズの装用中止等の対応が必要な程度の角膜上皮障害が16銘柄中12銘柄、結膜上皮障害が16銘柄中13銘柄、輪部充血が16銘柄中10銘柄で見られることがありました。
カラーコンタクトレンズの入手、購入先は、インターネット通販が39.2%と最も多く、特に10歳代では半数近くを占めていました。
カラーコンタクトレンズを購入する際、43.5%が眼科を受診したことがなく、15.2%がレンズの種類を変更する際に眼科を受診していませんでした。さらに、10歳代ではこれらの割合が高くなっていました。
23.7%がカラーコンタクトレンズを使用していて、目の調子が悪くなったことがあると回答しましたが、そのうちの約半数はその際に眼科を受診していませんでした。

 2009年から度なしのカラーコンタクトレンズも高度管理医療機器としての承認が必要になりましたが、その承認を得た製品でさえ、上記のように規格外れのレンズが混じっている可能性があります。一般的にカラーコンタクトレンズは酸素透過性が低いものが多く、角膜障害が生じやすくなります。また色素の漏出が原因で角膜障害が生じるケースが報告されています。その一方で、カラーコンタクトレンズユーザーはインターネットで購入する割合が多く、眼障害が生じる可能性が高いにもかかわらず、眼科医の検診もあまり受けない実態が浮き彫りになっています。

 当院でもカラーコンタクトレンズ装用が原因で角膜炎や角膜潰瘍になってしまっている患者さんも何人もおみえになります。カラーコンタクトレンズをご使用になる場合には、きちんと眼科専門医の診察をうけて、信頼できるメーカーのレンズを選択されることを強くお勧めします。
2014年9月1日掲載 
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