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先日、睫毛内反(逆まつげ)とアレルギー性結膜炎で受診された小学生を診察したところ、角膜内皮に不整を認めました。スペキュラーマイクロスコープで検査したところ、両眼ともに角膜内皮細胞密度の減少を認め、右眼には一部ダークエリアを認めました(図2)。虹彩と隅角に異常はなかったため、Posterior Corneal Vesicle(PCV) もしくは後部多形性角膜ジストロフィー(PPCD)と思われました。 |
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【図2】 |
スペキュラーマイクロスコープ写真:角膜内皮細胞密度(CD)右眼1138/平方ミリメートル、左眼1441/平方ミリメートルと減少を認める(正常は2500-3000)。右眼は一部ダークエリアを認める(矢印部分)。 |
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PCVとPPCDともに自覚的な症状がほとんどなく、眼科受診時に偶然見つかることの多い疾患です。PCVは片眼性でほとんどが非進行性で遺伝要因もないとされています。また角膜内皮細胞密度が1500/平方ミリメートル以上あればコンタクトレンズの使用も可能です。一方PPCDは常染色体優性遺伝で両眼性であり、角膜混濁や眼圧上昇を生じることがあるとされています。 |
今回の場合、家族歴はありませんでしたが両眼性であり、まだはっきりどちらともいえない状況と思われましたが、角膜内皮細胞密度が1500/平方ミリメートル以下でしたので、将来的にもコンタクトレンズ使用は控えたほうが無難である旨をお伝えしました。
近年、おしゃれ用のカラーコンタクトレンズはインターネット通販でも手軽に購入できる状況にあります。コンタクトレンズを購入される場合は、眼科でしっかり検査をしてから購入されることをお勧めします。 |
2019年6月1日掲載 |
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【関連コンテンツ】
・スペキュラーマイクロスコープ(角膜内皮顕微鏡検査)とは
・カラーコンタクトレンズの安全性
・顆粒状角膜ジストロフィとは |
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