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近視の進行を押さえる目薬「マイオピン」をご存知ですか?

マイオピンの写真

 子供の近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースがあります。
 近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることがありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するために重要となります。
軸性近視と正規の状態との比較図

シンガポールでの臨床研究で、0.01%アトロピンに近視抑制効果があることが判明しました(*1)。
アトロピン点眼とプラセボ点眼の近視進行度比較

 マイオピンは、小児期の近視の進行を軽減させることを目的に、0.01%アトロピンを配合した点眼薬で、シンガポール国立眼科センターの研究に基づいて開発されました。
 マイオピンは、超低濃度(0.01%)のアトロピンを点眼することにより、近視の進行スピードを効果的に抑えると同時にアトロピン1%点眼薬で生じる不快な副作用を抑えることができます。
 2021年5月、日本でも7つの大学病院で行われた研究が「Japanese Journal of Ophthalmology」に掲載されました。この研究では、「基準に従って点眼すれば、低濃度アトロピン(0.01%)は小児の近視の進行予防に有効かつ安全である」と報告されています(*2)。

<<マイオピンの安全性について>>
 シンガポール国立眼科センター(SNEC)のアトロピン0.01%点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性については、以下の報告がありました。
アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
眼圧へ影響するとの報告はありませんでした。
白内障を形成するとの報告はありませんでした。
点眼終了後も目の遠近調整機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。

<<当院でマイオピン点眼治療をご希望される場合にご理解いただきたいこと>>
マイオピンはお子さんの近視進行を抑えるための目薬です。
視力回復の治療ではなく、近視の進行が止まるわけではありません。
アトロピンを0.01%配合した目薬です。
シンガポールで開発され、近視の進行を2年間で平均約60%軽減したと報告されています。
効果には個人差があり、治療を行っても効果がない場合があります。
重篤な副作用の報告はありませんが、瞳孔が少し大きくなるため、まぶしく感じることがあります。
毎日、就寝前に1滴点眼します。
点眼液は1本5mlで、1か月での使いきりです。
治療中は3か月に一度の検査・診察が必要です。120日以上受診がない場合は治療中止となります。
治療開始の対象は6歳から12歳、近視度数が-1Dから-6Dまでの近視のお子さんです。
少なくとも2年間の治療継続をお勧めします。
ご希望があれば16歳まで治療の継続が可能です。
マイオピンは日本で承認されていないお薬で、マイオピンに関する治療はすべて保険適応外(自費診療)となります。(健康保険証、各種医療費助成制度はお使いいただけません。確定申告時の医療費控除にも該当しません。)
費用は検査・診察代1回2000円、点眼薬1本3000円です。
マイオピン点眼治療の診療日に、他の疾患(結膜炎や麦粒腫などを含むすべての疾患)の診療・検査・投薬・眼鏡処方などはできません。
治療開始前と経過中1年に一度、調節麻痺剤を用いた検査を行います。その際は2日程瞳孔が開いて見えづらくなります。
マイオピンは必ず本人のみが使用し、開封後1か月を経過したら残っていても廃棄し、新しい点眼液に取り換えてください。
まぶしさやアレルギーなどの副反応により治療中止となる場合があります。
副反応による治療中止の場合を含め、いかなる理由でもご返品・ご返金はできません。

<<スタッフまでお気軽にお尋ねください。>>

*1 : Chia A, et al. Atropine for the treatment of childhood myopia: safety and efficacy of 0.5%, 0.1%, and 0.01% doses (Atropine for the Treatment of Myopia 2). Ophthalmology. 2012;119:347-354.

*2 : Osamu Hieda, Takahiro Hiraoka, the ATOM-J. Study Group. Efficacy and safety of 0.01% atropine for prevention of childhood myopia in a 2-year randomized placebo-controlled study. Japanese Journal of Ophthalmology 2021;65:315-325.


2021年9月1日掲載 
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