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緑内障はどんな病気?

1. 緑内障の原因と頻度
 緑内障とは、何らかの原因で視神経が障害され視野が狭くなる病気です【図1、図2】。はっきりとした原因はわかっていませんが、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。2001年に岐阜県で行われた多治見スタディという緑内障疫学調査の結果、40歳以上の住民の約5%が緑内障であると報告されました。しかもその大多数は自覚症状がなく、眼科にも通院していないケースでした。
緑内障性視神経障害(乳頭陥凹)
【図1】 緑内障性視神経障害(乳頭陥凹)
緑内障性視神経障害と視野障害
【図2】 緑内障性視神経障害と視野障害
2. 緑内障の治療
 緑内障は進行すると視野が狭くなってしまい、最悪の場合には失明にいたる重大な病気です。しかし、現時点では緑内障を治すことはできません。薬物や手術によって眼圧を下げて視神経の更なる障害を防ぐことが現在のところ証明されている唯一の治療法です。
3. 眼圧とは
 眼球の中には血液のかわりとなって栄養などを運ぶ、房水とよばれる液体が流れています【図3】。房水は毛様体でつくられシュレム管から排出されます。目の形状は、この房水の圧力によって保たれていて、これを眼圧とよび、21mmHg未満が正常値とされています。
房水の流れ
【図3】 房水の流れ
4. 緑内障の分類(40歳以上の有病率)
 緑内障は大きく次の3タイプに分類されます。
(1)原発緑内障
他の原因がない普通のタイプ
(2)続発緑内障
他の眼疾患や全身疾患あるいは薬物使用(特にステロイド )が原因となって眼圧上昇が生じ、緑内障を発症するタイプ
(3)発達(先天)緑内障
先天的な形成不全などが原因となるタイプ
  原発緑内障はさらに次のように分類されます。
(イ)原発開放隅角緑内障【図4】
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。ゆっくりと病気が進行していく慢性のタイプです。
開放隅角緑内障
【図4】 開放隅角緑内障
(ロ)正常眼圧緑内障
原発開放隅角緑内障のサブタイプで眼圧が高くないタイプです。眼圧が正常値でも視神経障害が生じて視野が狭くなっていきます。眼圧が正常なので眼圧検査だけでは検出できません。日本人の緑内障患者の7割以上がこのタイプです。
(ハ)原発閉塞隅角緑内障【図5】
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります。
閉塞隅角緑内障
【図5】 閉塞隅角緑内障
★★★ 急性原発閉塞隅角緑内障(緑内障発作)★★★
 原発閉塞隅角緑内障の急性タイプで、隅角が閉塞し急激に眼圧が上昇します。高齢の女性に多く、症状は視力低下、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐などです。目の症状よりも頭痛や嘔吐などが目立つため眼科ではなく内科を受診するケースも多々あります。視力の低下、目の充血、光を当てても瞳孔が小さくならない(対光反応消失)、などが重要なポイントです。早く治療しないと2〜3日で失明してしまうこともあります。
緑内障治療の基本は、早期発見・早期治療です。40歳を過ぎたら年に一度は眼科で検査を受けられるとよいでしょう。
2008年9月1日掲載 
お断り:図3、図4、図5は参天製薬様ホームページより了解を得て転載させていただきました。
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